雑誌、つくりはじめます

さて、放置を重ねに重ね続けた当ブログですが、また復活します。

今回はお知らせというか宣言ですが、雑誌をつくろうと思っています。いわゆるミニコミってやつです。
雑誌名は「(out of)Ground Zero」を候補として考えていますが、もっと良いものが思いついたら変更します。
形式としては、紙&有料で出したいと考えています。
しかし、
・(ぼくのリアル友人・知人に協力を仰ぎまくりながらも)基本的にぼく一人で大まかな作業を行うこと
・どこの馬の骨ともつかないような人間が雑誌を作って売ることのコストとリスク
・今後さまざまな方に取材・協力依頼をする上で名刺のようなものが欲しかったこと
を考え、創刊準備号としてWebマガジンの形式で出す予定です。こちらはもちろん無料です。今は紙だのWebだのと特定の媒体にこだわる意味がどんどん消失していっている時代でもあり、活動をフレキシブルに行っていきたいという意味合いもあります。

(そして、先日からプロフィールに本名を掲載しましたが、これも取材・協力依頼をする上で「依頼を送っているのはこういう人間で、本当に存在する」ことをお伝えしたかったので変更しました。一応リアル仕事もあるので、今後突然ハンドルネーム表記に戻す可能性も十分あります。「空中キャンプ」の伊藤さんや、「第二次惑星開発委員会」の宇野さんのように使い分けられたら良いのですが)

雑誌をつくろうと思った時に考えていたことは「グラウンド・ゼロには行ったことがない」という文章を去年の11月頃にひっそり書き、下に掲載しました。これがマニュフェストのようなものだと考えているので、お手数ですがそちらをご覧ください。

グラウンド・ゼロには行ったことがない」にはわりと抽象的・観念的なことばかり書いてしまったので、このエントリには具体的・状況的なことを以下に記そうと思います。
自分が予想していた以上に長くなってしまった本当に申し訳ないのですが、どうかお付き合いください。

ぼくは大学2年〜卒業まで、具体的には2007年から2009年まで、「cinra magazine」というCDとWebで展開するカルチャーマガジンのボランティアスタッフとして関わらせていただいていました。号数で言えば13号〜19号(休刊号)までで、インタビュー・編集・執筆に関わったのは以下の記事です。

<vol.14 怒濤の100枚レビュー!音楽ジャンル探訪>
http://cinra-magazine.net/vol.14/CONTENTS/MUSIC/T4.HTM

<vol.15 一人で作れるマスメディア〜注目の個人blog紹介〜>
http://cinra-magazine.net/vol.15/CONTENTS/INDEX.php?id=39

<vol.15 太るのか痩せるのか!?マクドナルド VS ビリーズブートキャンプ
http://cinra-magazine.net/vol.15/CONTENTS/INDEX.php?id=57

<vol.16 作戦会議「オバサンと闘う方法を考える」>
http://cinra-magazine.net/vol.16/CONTENTS/INDEX.php?id=33

<vol.17 問題児、鹿野淳のジャーナリズム>
http://cinra-magazine.net/vol.17/CONTENTS/index.php?id=8

<vol.17 インディペンデントマガジンの逆襲>
PLANETS
http://cinra-magazine.net/vol.17/CONTENTS/index.php?id=16

HB
http://cinra-magazine.net/vol.17/CONTENTS/index.php?id=16

MAG FOR EARS
http://cinra-magazine.net/vol.17/CONTENTS/index.php?id=16

<vol.17 その日ぼくが見た、インディーロックの「旅」について>
http://cinra-magazine.net/vol.17/CONTENTS/index.php?id=16

<vol.18 お絵かき教室入門 〜濁ったその眼をザブザブ洗え!〜>
http://cinra-magazine.net/vol.18/CONTENTS/index.php?id=29

<vol.19 これぞ最強 感動の1文を探せ 読書家6名が選ぶ、小説6冊>
http://cinra-magazine.net/vol.19/CONTENTS/index.php?id=45

<ARTIST INDEX(アーティストの音源レビュー。音源は全てネットで聴けます)>
Clean Of Core(vol.13)、bed(vol.14)、ARTLESS NOTE(vol.15)、ツチヤニボンド(vol.16)、相対性理論(vol.16)、Luminous Orange(vol.17)、Limited Express (has gone?) (vol.18)、uhnellys(vol.18)

およそ半分ほど体当たり企画なような気がしますが、おそらく気のせいでしょう。自分の顔どころか、だらしないお腹まで全世界に公開してしまっているので恥ずかしい限りです(そして、一週間マクドナルド生活はほんとうに辛いです)。

バックナンバーのページを見ていただければわかるように、特集の隅から隅までめちゃくちゃ豪華です。音源が収録されているバンドを見ても「ゼロ年代のインディーシーンでは、こんなかっこいいバンドがたくさんいたんだよ」ということが一目瞭然でしょう。
ゼロ年代の想像力」出版前にPLANETS宇野さんにインタビューをしたり、「シフォン主義」が全国流通した前後の相対性理論レビューを書いたことは、ほんのちょっぴり自慢です。

ぼくが就活をし始めたころ(2008年初旬)に、既にオープンしていたカルチャーニュースサイト「CINRA.NET」にコンテンツ供給を一本化するということで「cinra magazine」は休刊となり、「CINRA.NET」ではTHE NOVEMBERSの1stフルアルバム発表時にインタビューさせていただきました。

cinraのスタッフの方々、特に編集長の万作さんには数多くの相談に乗っていただき、言葉にできないぐらい感謝しています。そして、ぼくはこの頃から「何らかの形で恩返しができないだろうか」と考えていました。万作さんに企画を提出し、「CINRA.NET」の記事として発表させていただくことも考え、実際にそのために動いたりもしていたのですが、様々な出来事とぼくの怠慢(後者が90%以上)が重なり、このような形での恩返しとなりました。というかする予定です。します。

また、ぼくが「何かしたいなぁ」とうだうだ考えていた2009年は、カルチャー誌にとって大変動の一年であったとも記憶しています。
大好きだった「広告批評」「STUDIO VOICE」「remix(休刊ではないものの、編集部総入れ替え)」がこの一年で休刊しています。
“雑誌は生き物であり、必ず寿命を迎える”という言葉もありますし、「remix」は音楽専門誌ですが、ある特定のカルチャーに依拠しない、一冊の本の中に「雑」なものが無数に散りばめられている雑誌はもう本当に成り立たない。ぼくにとって、そんな死刑宣告を突き付けられたような印象があった一年でした。

一方で、09年の後半には“新しい動き”も感じていました。
「ミニコミ2.0」とそれらも交わるかたちでのTwitterやUSTの流行です。
cinra magazine時代にも個人ブログ特集やミニコミ特集を担当したぐらいなので、それなりに主要どころはチェックしていたんですが、これら一連の動きというのは音楽におけるインディーがもはやメジャーよりも質が良い&売れる(という事例もある)ということを証明してしまったことに近い現象が、ミニコミでも起こっている気がします。

メジャー=企業としての組織体となってしまった出版社よりも、自由に、そして数年前には想像できなかったであろうスピードで、それらは素敵なコンテンツを大量に送り出してくれます。

こうした流れのなかでぼくが特に面白いと思っていることは、特定ジャンル(それは「ミニコミ」というジャンルも含みます)の中で一番になることではなく、乱立・連帯し全体として盛り上げていこうという意思が感じられる点です。

“面白いものだったら、どれだけ多くの雑誌があったって構わない”
情報過多と言われるこの時代にそんな仮定が成立するのであれば、ぼくもそこに混じりたい。ぼくに色んなことを教えてくれた「雑誌」に恩返しがしたい。

それが創刊を決心した理由であり経緯あり、先だっての目標です。
まだまだ言いたいことはありますが、あまりに長すぎてもどうかと思うので、雑誌の宣伝も兼ねてブログに書いていこうと思います。

とは言いつつも、現時点での進捗としては企画概要がようやく完成→取材依頼開始というへっぽこな段階です。このタイミングで発表したのも、いざ雑誌を作っても知名度が低すぎるあまり誰も読んでない、という状況を避けたかったという理由からです。デザイン(紙・ネット両方)・写真関係に全くツテがありません。もしお手伝いしていただけるという奇特な方がいらっしゃれば、ブログ最上段のアドレスまでご連絡いただけると幸いです。